コラム

2025.02.07

眼瞼下垂のセルフチェック方法とよく間違われやすい疾患について解説!眼瞼下垂と診断されなかった場合は?

眼瞼下垂のセルフチェック方法とよく間違われやすい疾患について解説!眼瞼下垂と診断されなかった場合は?

眼瞼下垂は年齢問わずどなたでもリスクがある疾患です。しかし、ご自宅でも発症有無をセルフチェックすることが可能です。
本ページでは、眼瞼下垂のセルフチェック方法、そしてよく間違われる疾患について解説します。
「最近、瞼が重くなった気がする」と不安に思っている方は是非参考にしてください。

 

以下のような症状はありませんか?

以下のような症状はありませんか?

  • 瞼が重い
  • 瞼がたるむ
  • 目を十分に開けない
  • 目を意識して開いても視野が狭く見えづらい
  • 目線の上にある物が見えにくい
  • 目の大きさに左右差がある
  • 運転中に信号が見えづらく感じる
  • 写真撮影した際、「眠たそうに見える」と言われる
  • 10年以上にわたってハードコンタクトを使っている
  • 額のシワが深くなった
  • 原因不明の肩こりや頭痛が発生する など

上記のような症状が起きている方は、眼瞼下垂が疑われます。
これら症状のうち、該当する症状がある場合は一度当院までご相談ください。

 

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは眼瞼下垂は、目を開ける腱膜や筋肉が低下することで、目をしっかり開けられなくなる疾患です。複数の種類に分類されますが、神経疾患(重症筋無力症など)によって発症するタイプもあります。また、眼瞼下垂を治療せずに放置した場合、自律神経が失調し、片頭痛や肩こりなどの症状が起こる可能性もあります。同様の症状を起こす疾患もあるため、専門医による正確な診断が必要です。

「最近、瞼が重くなってきた」「額のシワがはっきりしてきた」など、思い当たる症状があれば、一度当院をご受診ください。

 

眼瞼下垂の重症度

眼瞼下垂は、症状の進行度により、以下のように軽度・中等度・重度に分けられます。

【正常な状態】
瞼が十分に開き、白目がしっかりと見えている状態です。

【軽度の眼瞼下垂】
瞼が黒目にはかかるものの瞳孔にはかかっていない状態です。

【中等度の眼瞼下垂】
瞼が瞳孔の上縁に部分的に覆いかぶさっている状態です。

【重度の眼瞼下垂】
瞼によって瞳孔の半分以上が隠れている状態です。

 

眼瞼下垂のセルフチェック

眼瞼下垂の発症有無は、ご自宅にてセルフチェックできます。
以下の手順でセルフチェックを行い、眼瞼下垂の疑いがある場合は、一度当院へご相談ください。より詳しい検査を行います。

セルフチェックの方法
STEP.1
鏡の前で目を閉じて頂き、定規を眉毛から垂らすような形にして指で抑えて固定しましょう。

STEP.2
指で定規を押さえつつ、眉の力を使わずにそっと目を開けてください。

STEP.3
STEP.2の状態を保ったまま、スマートフォンのインカメラで瞳を撮影しましょう。

STEP.4
撮影した画像を表示し、瞳孔中央から上眼瞼縁までの距離をチェックしましょう。
3.5mm以下だった場合、眼瞼下垂の可能性があります。

 

眼瞼下垂と一重の違いについて

眼瞼下垂と一重を判別できない方は少なくないでしょう。
実際、一重の方が「眼瞼下垂なのでは?」と不安になって受診されることも多いです。

一重とは、先天的に瞼の折り目が浅い、あるいはない状態です。
一方、眼瞼下垂は目を開ける腱膜や筋肉が低下することで、目を開けられなくなる「疾患」です。このように原因が異なり、症状にも違いがあります。

また、一重の手術は「二重整形術」に当たるため、保険が適用されません。一方、眼瞼下垂の診断を受けた場合、手術には基本的に保険が適用されます。

 

眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂は数多くの原因がありますが、以下が代表的なものです。

加齢
加齢に伴って筋肉や腱膜が弛緩し、瞼が垂れ下がることがあります。
特に60歳以上の方に多いですが、早い方だと40代から認められます。

外傷
交通事故やスポーツ中の接触などにより生じた瞼や目の外傷により、眼瞼下垂が起こることがあります。

先天性
先天的に眼瞼挙筋が弱い方は、幼少期から眼瞼下垂が起こることがあります。
また、先天性の場合は両目に症状が出ることもあります。

神経疾患
神経疾患(重症筋無力症など)が原因となり、眼瞼下垂を発症することがあります。
重症筋無力症とは、筋肉と末梢神経の繋ぎ目の神経筋接合部に障害が起こり、筋力が低下する疾患です。

瞼に負担をかける行為
日頃から瞼に負担をかける行為をしていると、眼瞼下垂が起こりやすくなります。例えば、濃いアイメイク、アイテープやアイプチの使用、まつ毛エクステの装着、コンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)の装用などが原因となります。
また、花粉症やアトピー性皮膚炎などによるかゆみが気になり、瞼を触ることも瞼に負担がかかります。
これらの行為から、瞼にダメージが少しずつ溜まっていくと、挙筋腱膜が緩む、あるいは外れてしまい、眼瞼下垂を招く可能性があります。

 

生活習慣も発症要因となります

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を罹患している方は、眼瞼下垂の発症リスクが高いです。
眼瞼下垂とこれら生活習慣病の関連性は明確にはなっていませんが、生活習慣病を改善・予防することで、眼瞼下垂の予防効果も期待できると言われています。

    高血圧
    血圧が持続的に高い状態です。自覚症状は乏しいですが、血圧が高い状態を放っておくと動脈硬化の進行を招き、心筋梗塞など深刻な疾患に繋がる恐れがあります。
    高血圧の原因には、遺伝、ストレス、塩分の過剰摂取、飲酒、喫煙などがあります。

    糖尿病
    血糖値が高い状態が慢性化する疾患です。
    運動不足や暴飲暴食、肥満など生活習慣の乱れにより、血糖値を下げる働きのあるインスリンの分泌が不足、もしくは作用が低下することで起こります。
    糖尿病は完治させることは不可能で、悪化すると深刻な合併症を招く可能性もあります。
    そのため、運動療法や食事療法、薬物療法を行い、血糖値を安定化させる必要があります。

    脂質異常症
    血中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が高い状態、あるいはHDL(善玉)コレステロールが低い状態です。
    悪化すると動脈硬化の進行を招き、心筋梗塞や脳梗塞に繋がる恐れがあります。
    暴飲暴食や肥満、運動不足、ストレス、喫煙などが原因となり、日頃からカロリーが高い食事となっている方は発症リスクが高いため特に注意が必要です。
    治療は、食事療法と運動療法を行います。

     

    眼瞼下垂症の種類

    【後天性眼瞼下垂】
    後天性の眼瞼下垂です。これまでは特に目を問題なく開けられていたにもかかわらず、少しずつ、もしくは突然上瞼が下がってきます。いくつかの種類に分けられますが、なかでも目の腱膜(挙筋腱膜)が伸びる、あるいは緩むことで発生する「腱膜性眼瞼下垂」が多いです。

    加齢が原因となることが多いですが、その他にも、コンタクトレンズを長時間装用している方(特にハードコンタクトレンズ)、白内障・緑内障・硝子体の手術歴がある方は発症リスクが高いです。

    【先天性眼瞼下垂】
    先天性の眼瞼下垂です。症状が両目に出ることもありますが、約8割は片目に症状が出ます。主な原因は、生まれつき上眼瞼挙筋の力が弱いこと、あるいは瞼を上げる筋肉をコントロールする神経の異常です。稀に視力の発達に影響が出ることがあり、弱視や斜視の原因となることがあります。弱視や斜視が認められる場合はすぐに手術を行いますが、視力への影響が認められない場合は経過観察での対応となります。手術を行う時期は医師と相談のうえで決めていきます。

    【偽性眼瞼下垂】
    眼瞼痙攣や顔面神経麻痺などにより、一見上瞼が下がっているように見える状態で、実際に眼瞼下垂を発症しているわけではありません。眼瞼下垂の手術を実施しても症状は解消しないため、正しく見極める必要があります。

    【医原性眼瞼下垂】
    医原性眼瞼下垂は、重瞼の埋没法などの施術を受けた後、腫れが引いたにもかかわらず瞼が十分に開かない状態です。頭痛や顔面痙攣が発生する方もいます。埋没した糸を除去することにより改善が期待できます。

     

    眼瞼下垂と似た疾患

    【眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)】
    眼瞼皮膚弛緩症とは、加齢などが原因となって皮膚が緩むことで瞼が下がる疾患です。そのため、瞼を上げる筋肉の働きには問題が発生していません。

    【眼瞼痙攣(がんけんけいれん)】
    眼瞼痙攣とは、目の周囲に存在し瞼の開閉を行う筋肉(眼輪筋)に異常が発生し、筋肉の痙攣が不随意に生じる疾患です。瞼が下がってしまうため、眼瞼下垂と混同されてしまう可能性があり、専門医による正確な診断が必要です。

    【重症筋無力症】
    重症筋無力症とは、自己免疫疾患の一種で、末梢神経と筋肉の繋ぎ目である神経筋接合部で免疫異常が発生し、筋肉側の受容体が破壊され、神経から筋肉への信号の伝達が上手くできなくなる疾患です。
    重症筋無力症の症状として眼瞼下垂が起こることがありますが、重症筋無力症では、眼瞼以外にも、全身の筋力が低下していき、構音障害や嚥下障害を示します。
    このように、症状や原因などが眼瞼下垂と異なり、治療法にも違いがあるため正確な診断が求められます。

     

    眼瞼下垂症の手術には保険が適用されます

    眼瞼下垂の手術の目的は、瞼の機能障害の改善にあります。

    美容目的の治療ではなく、疾患に対する治療のため、眼瞼下垂の診断を受けていれば手術には基本的に保険が適用されます。
    なお、眼は印象を大きく左右する部分のため、より綺麗な瞼にしたいと希望される場合は自費診療での対応となることもあります。

    例えば、歯科治療において見た目を良くするために保険適用外の素材を選択するように、瞼の治療でも保険の適用に関係なく審美性が高くなるような治療を求める方もいらっしゃいます。

     

    眼瞼下垂の手術に保険が適用されない場合

    結論から申し上げますと、保険診療も自費診療も手術の質には大きな差はありません。
    なお、当院では次のようなケースでは、自費診療をご案内しています。

    【眼瞼下垂の診断を受けていない場合】
    眼瞼下垂と診断されなかった場合、手術に保険は適用されません。
    なお、瞼が十分に開かず支障が出ている場合は、自費診療で改善が期待できます。

    【美容が主目的の場合】
    美容目的の手術は、例えばですが、目を開いた時の二重幅(見かけ上の二重幅)を広くしたいという要望などが当てはまります。見かけ上の二重幅を決定する要素は多岐にわたり、それら要素が重なって決まるため、眼瞼下垂の手術では完璧なコントロールは困難です。
    保険適用となる眼瞼下垂の手術は、機能障害の改善が一番の目的となり、見た目の希望に対して完全に沿うことはできません。ご要望が簡単なものであれば対応できますが、難しい要望は手術の失敗に繋がる可能性もあります。二重幅を広げたいというご希望に沿う形で手術を進めると、ハム目や開瞼不良に繋がる恐れがあります。
    このように、保険適用での眼瞼下垂の手術は、機能改善そして視野の回復を主目的とするため、見た目のご希望には沿えないこともあるので、ご注意ください。

    ※当院での保険適用の有無については診断後の判断となります(症状のない方は自費診療)。難しい症例の治療が必要な方は近隣の大学病院を紹介いたします。

     

    セルフチェックで眼瞼下垂が疑われる場合は当院までご相談ください

    当院で行う眼瞼下垂の手術は、形成外科の専門医が担当します。
    生活の障害となっている瞼の症状の改善だけでなく、見た目もできるだけ良い仕上がりとなるように努めています。

    また、当院の眼瞼下垂の手術は日帰りで行っています。入院を伴う手術に比べ、検査の準備などが少ないです。
    セルフチェックで眼瞼下垂が疑われる方は、一度当院までご相談ください。

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