AGA(男性型脱毛症)

男性型脱毛症(AGA)の概要

男性型脱毛症(AGA)の概要

AGAは「男性型脱毛症」とも呼ばれ、「Androgenetic Alopecia」の略です。思春期以降の男性に多く見られる薄毛や抜け毛は、男性ホルモンの作用や遺伝的要因が関与しているとされています。日本では、男性の約3分の1がAGAで悩んでおり、中には10代で薄毛が進行するケースもあります。

AGA発症のメカニズムについて

AGA発症のメカニズムについてAGAは、毛根におけるDHT(ジヒドロテストステロン)の増加が主要な原因です。このDHTは、5α-還元酵素がテストステロンを変換することで生成され、その量が多いと髪の成長期が短縮されます。結果として、髪が細く短い状態で抜け落ち、薄毛が進行するのです。

AGAの症状

AGAの症状
  • 枕元に抜け毛が落ちるようになった
  • 髪を洗った時、ドライヤーで髪の毛を乾かした時に、抜け毛が目立つようになった
  • 髪の太さが減ってきた
  • 頭頂部や額の髪が薄くなってきた

上記のような症状が出た場合は、AGAが疑われます。これらの変化に気づいたら、AGAや薄毛の進行する前に、早めに医療機関への相談をお勧めします。

AGAの進行とそのパターン

男性型脱毛症(AGA)の進行は単一ではなく、12種類に及ぶ「ハミルトン・ノーウッド分類」で識別されます。この分類はハミルトン医師によって始められ、ノーウッド医師によって改良されたもので、国際的に認められています。
日本では、特に頭頂部の薄毛が目立つパターンが多いため、「Ⅱvertex」というカテゴリーを加えた「高島分類」が一般的に採用されています。

M字型脱毛:生え際の両サイドから始まる薄毛のパターン(Ⅰ型〜Ⅴ型)

生え際の両サイドが後退し、M字形状の薄毛になるタイプです。世間一般ではよく「M字ハゲ」とも言われています。

O字型脱毛:頭頂部を中心に進む薄毛のパターン(Ⅱ型 vertex~Ⅳ型)

O字型は頭頂部、特につむじの周囲から薄毛が始まるタイプです。このタイプは見た目に気づきにくいため、薄毛の自覚が遅れがちです。

U字型脱毛:前頭部から頭頂部にかけて、薄毛が進行しているパターン(Ⅳa型~Ⅶ型)

U字型は前頭部から頭頂部にかけての薄毛が特徴で、生え際の後退が顕著です。このタイプは比較的自己認識しやすく、しばしばO字型の薄毛と同時に進行することがあります。

AGA治療に用いられる薬剤の紹介

プロペシアとは

プロペシアとは

プロペシアは、アメリカのメルク社が1997年に開発したAGA治療薬で、60以上の国々で取り扱われています。2005年には日本の厚生労働省の認可を受け、国内市場に登場しました。
この薬は「フィナステリド」を主成分としており、AGAの一因である「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を阻害することで、抜け毛を減少させ、薄毛の状態を改善する効果があるとされています。

プロペシアの効能と作用メカニズム
プロペシアによるAGA治療効果について

プロペシアの主要成分であるフィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)を引き起こす「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制し、薄毛の進行を防ぐ効果があるとされています。
日本では、特に頭頂部の薄毛が目立つパターンが多いため、「Ⅱvertex」というカテゴリーを加えた「高島分類」が一般的に採用されています。

プロペシアの有効成分について

ジヒドロテストステロン(DHT)は、テストステロンと5αリダクターゼが結び付いて生成される物質です。髪の成長期を短縮し、脱毛の一因となります。
プロペシアに含まれるフィナステリドはDHTの産生を抑制するので、正しく服用することで抜け毛の予防が可能です。
プロペシアの効果には個人差があり、服用方法の誤りが効果を得られない原因となることもあるため、医師の指示に従った服用が重要です。

プロペシア服用における副作用

プロペシアの服用によって、以下のような副作用が出ることもあります。

  • 初期脱毛
  • 性機能に関する問題(勃起不全や性欲の低下)
  • 肝機能の異常
  • うつ状態

これらの副作用は個人の体質によって異なり、服用開始直後に現れるケースもあれば、長期間の服用後に現れることもあります。体に何か変化を感じた場合は、すぐに医療機関へ相談しましょう。

プロペシアの服用によって得られる効果

きちんと服用方法を守って飲まないと、プロペシアの効果がきちんと発揮されません。服用しなかったり服用したりするとAGAが進行しやすくなり、期待外れの結果を招く可能性が高くなります。
効果を最大限発揮するためには、毎日決まった時間に薬を摂取することが重要です。例えば、毎日の入浴後や食事の後にプロペシアを服用すると、飲み忘れを防ぐことができます。

ザガーロとは

ザガーロとは

ザガーロに含まれる「デュタステリド」という成分は、AGA(男性型脱毛症)の主要な原因である「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンの生成を抑制し、ヘアサイクルを改善して発毛を助ける物質です。
元々、デュタステリドは前立腺肥大症の治療薬「アボルブ」の成分として日本で使用されていました。その後、AGA治療にも有効であることが明らかになり、1997年にはFDA(米国食品医薬品局)によってAGA治療薬としての使用が承認され、プロペシア(フィナステリド)に次いで2015年には日本の厚生労働省からも認可を受けました。
2016年6月現在、世界85カ国で使用されており、その効果と安全性は国際的にも認められています。

ザガーロの効能と作用メカニズムについて
ザガーロによるAGA治療の効果とそのメカニズム

AGA(男性型脱毛症)の主な原因である「DHT(ジヒドロテストステロン)」は、男性ホルモン「テストステロン」と頭皮の「5αリダクターゼ」酵素が結合することで生成され、毛乳頭細胞に悪影響を及ぼします。これによりヘアサイクルが崩れ、薄毛が進行します。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類があり、ザガーロはこれら両方に対して作用し、DHTの生成を効果的に抑制してAGAの進行を緩やかにします。
また、ザガーロは太く長い毛になるよう、発毛を促進する効果があrます。特に、脱毛が見られる頭頂部や前頭部ではその効果が顕著に現れます。
製造元であるグラクソ・スミスクライン社によると、ザガーロはプロペシアと比較して、頭頂部の毛髪数、毛髪の太さ、硬毛数の増加において約1.6倍の効果があるとされています。

ザガーロにおける副作用について

ザガーロは薄毛改善に有効ですが、副作用が起こる可能性もあるため、服用前には注意が必要です。
1%以上の頻度で報告されている副作用には、射精障害、性欲の低下、勃起不全などの性機能に関する問題が挙げられます。
また、1%未満の確率ではありますが、皮膚の発疹、頭痛、抑うつ症状、腹部の不快感、乳房の女性化や痛みといった乳房関連の症状、肝機能障害、アレルギー反応、浮腫やめまいなどの報告もあります。

ザガーロの正しい服用方法について

ザガーロの服用は、1日に1錠(0.5mg)とされており、水またはぬるま湯で飲むことが推奨されています。食事のタイミングに左右されずに摂取可能ですが、毎日決まった時刻に服用すると、薬の血中濃度が安定しやすくなります。
処方された量を超えて服用しても、治療効果は決して向上しません。むしろ副作用のリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。効果を実感するためには継続が重要であり、飲み忘れ防止のために「毎朝起きた後に飲む」などの習慣をつけると良いでしょう。もし服用を忘れた場合は、次の日に2倍の量を摂取せず、1日の推奨量を守るようにしてください。

ザガーロ(デュタステリド)とプロペシア(フィナステリド)の比較について

デュタステリドとフィナステリドは、どちらも5αリダクターゼ阻害薬としてAGA治療に効果を発揮する薬です。これらの薬剤は、AGAの主要な原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制するために、5αリダクターゼという酵素の活動を阻害します。
デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方の5αリダクターゼを阻害するのに対し、フィナステリドはⅡ型のみを阻害します。そのため、これらの薬剤は基本的に、併用して飲むことができません。

AGA治療における治療期間の目安

AGA治療における治療期間の目安

薬の効果が現れるまでの期間は患者様によりますが、一般的には3ヵ月から6ヵ月程度とされています。
また、効果を感じ始めた後も、治療を継続することが重要です。なぜなら、薬の服用を中止すると、抜け毛を引き起こす男性ホルモンの活動が再開し、脱毛状態が元に戻る可能性があるからです。
そのため、症状が改善されたと感じた場合でも、医師の指導のもとで薬の量や種類を調整することをお勧めしています。

当院からお伝えいたしたいこと

当院からお伝えいたしたいこと

多くの方は「AGA(男性型脱毛症)」=「中年になってからの問題」だと思いがちですが、実際には20代の若者にも発症することがあります。
薄毛に関する調査では、約25%の回答者が「10代から20代にかけて薄毛に悩み始めた」と述べています。飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足、遺伝など、多様な要因がAGAの発症に関与しているため、これらの要因には注意が必要です。
AGAは進行が緩やかなため、早いうちから対策を講じると症状の悪化を防ぐことが可能です。AGAの疑いがある場合は、医療機関で診断を受け、適切な治療法を見つけて取り組んでいきましょう。

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