眼瞼下垂の発症予防・改善にはトレーニングは効果がある?トレーニング以外で発症・悪化を防ぐ方法も解説!

眼瞼下垂を発症すると、目が小さく見えたり、疲れているような印象を与えたりして、実年齢より老けて見られやすいです。手術を検討する前に、トレーニングやマッサージでなんとか改善できないかと考える方も多いのではないでしょうか。

果たしてセルフケアは本当に効果があるのか、また取り組む際に気をつけるべきポイントはどこにあるのでしょうか。

この記事では、眼瞼下垂に関する以下の内容について詳しく解説していきます。

  • トレーニングによって眼瞼下垂の予防や改善はできるのか
  • トレーニング以外で発症を予防する方法とは
  • 症状の進行を防ぐために避けるべき行動とは

眼瞼下垂に関する正しい知識を身につけ、逆効果になりかねないNG行動を把握することが、予防と早期対策に繋がります。ぜひ最後までご覧頂き、ご自身のケアに役立ててください。

眼瞼下垂とはどのような状態?

眼瞼下垂を正しく予防・改善するためには、まずどのような状態が「眼瞼下垂」とされるのか、基本的な理解を持っておくことが大切です。

眼瞼下垂とは、瞼を開く力が弱まり、目が開きにくくなる状態

眼瞼下垂とは、加齢や慢性的な刺激などの影響で、瞼を持ち上げる筋肉の働きが弱くなり、目が十分に開かなくなる状態を指します。

上瞼が黒目にかかって視野が狭くなったり、物が見えにくくなったりすることで、次第に目の疲れや頭痛、肩こりといった症状が現れてくることもあります。

このような症状は眼瞼下垂が疑われます

眼瞼下垂の診断には明確な基準があるわけではなく、瞼の状態や症状を総合的に判断して医師が診断を下します。以下のような症状に心当たりがある方は、眼瞼下垂の可能性があります。

  • 瞼が重く、目が開きにくいと感じる
  • 視界が狭く、上の方が見づらい
  • 目を開けるときに額にシワが寄ってしまう
  • 目の乾燥や目の疲れが気になる
  • 慢性的な頭痛や肩こりに悩んでいる
  • 二重瞼が不自然に広がったり、三重になってきた

特に、眼精疲労や肩こりといった不調が強くなっている場合には、早めの対処が必要です。

眼瞼下垂を放置した場合のリスク

眼瞼下垂そのものが命にかかわる病気というわけではありませんが、放置することで日常生活に支障が出るケースも少なくありません。

例えば、視界が狭くなることで無意識に眉を持ち上げる癖がつき、額に深いシワが刻まれてしまったり、慢性的な頭痛や肩こりの原因になったりすることがあります。

こうした症状は、生活の質(QOL)を下げてしまう要因にもなります。気になる症状がある場合は、専門医に相談し、必要に応じて適切な治療を受けることで、快適な毎日を取り戻すことができるでしょう。

眼瞼下垂の改善にトレーニングは有効か?

結論から申し上げますと、眼瞼下垂に対してトレーニングは有効な治療手段とは言えません。

インターネット上には、瞼のトレーニングやマッサージによって眼瞼下垂を改善できるとする情報が見受けられますが、こうした方法では根本的な改善は望めません。むしろ、瞼に不要な負担をかけることになり、症状が悪化するリスクさえあります。

眼瞼下垂には、生まれつき瞼が下がっている「先天性眼瞼下垂」と、加齢に伴って症状が進行する「後天性眼瞼下垂」とがありますが、いずれの場合もトレーニングによる改善は期待できず、注意が必要です。根本的な治療を目指す場合には、基本的に外科的手術が必要になります。

手術以外で眼瞼下垂の症状を緩和するには

外科手術が眼瞼下垂の改善における基本的な選択肢である一方で、「手術には抵抗がある」「まずは他の方法で様子を見たい」という方もいらっしゃることでしょう。そうした方に当院でご提案しているのが、トレーニングやマッサージではなく、症状を一時的に和らげるための点眼薬です。

この点眼薬には、瞼を引き上げる働きのあるミュラー筋を収縮させる作用があり、1回の使用でおよそ3時間程度、瞼の開いた状態を保つことが可能です。手術を避けたい方や、術後の見た目を事前に確認したい方、また仕事やイベントの場面で一時的に目元をはっきりさせたい方にお勧めしています。

なお、この点眼薬は緑内障のある方には使用できませんので、事前に医師の診察を受けて頂く必要があります。

トレーニングは眼瞼下垂の「予防」には有効です

眼瞼下垂を発症してからトレーニングを行っても、症状の改善には繋がりません。しかし、まだ症状が現れていない段階であれば、予防目的でのトレーニングが一定の効果を持つとされています。

ここでは、瞼や目の周囲の筋肉を鍛えることで、眼瞼下垂の予防に役立つ2種類のトレーニングをご紹介します。

眼瞼挙筋を鍛えるトレーニング(目を大きく開く)

瞼を持ち上げる役割を担う「眼瞼挙筋」の働きを保つためのトレーニングです。

  1. 目を閉じ、額の力を抜いて眉毛を下げる
  2. 眉毛が動かないよう、手のひらで眉の位置を軽く押さえて固定
  3. 両目をできるだけ大きく見開き、そのまま5秒間キープ
  4. ゆっくり目を閉じてリラックス

この流れを1セットとし、1日数回行うのが理想的です。継続することで、瞼を引き上げる筋力の低下を予防できます。

眼輪筋を鍛えるウインク・まばたきトレーニング

目の周囲にある「眼輪筋」を鍛えることで、目元の筋力低下を防ぎ、眼瞼下垂の予防に役立てることができます。以下の2つの方法を取り入れてみましょう。

【ウインクトレーニング】

  1. 右目でウインクを1回
  2. 左目でウインクを1回

左右それぞれ5回ずつ、1日数セット繰り返します。

【まばたきトレーニング】

  1. 上を向いて両目でまばたきを行う
  2. 同じように右・左・下の順で視線を動かしながらまばたき

上下左右それぞれ5回ずつ、1日数セットを目安に続けましょう。

眼瞼下垂を予防するトレーニング以外の方法

眼瞼下垂の予防と聞くと、トレーニングを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、実際には日々の生活習慣を見直すことでも、発症リスクを抑えることができます。まだ症状が出ていない段階だからこそ、早めの予防行動が大切です。

日常生活から取り組める予防法

まずは、瞼に負担をかけていないか、日常の行動を振り返ってみましょう。

瞼への刺激をできるだけ避ける

瞼をマッサージしたり、かゆみによって強く擦ったりする行為は、瞼を持ち上げる筋肉やその支持組織を傷める原因となります。特に、花粉症やアトピー性皮膚炎などで目のかゆみが強い場合は、自己処理せず、医療機関で適切な治療を受けるようにしましょう。

また、アイメイクを落とす際に瞼をゴシゴシと擦るのも避けたい行動です。濃いメイクやつけまつ毛はクレンジング時の摩擦を強めるため、控えることをお勧めします。加えて、アイプチやアイテープなどの使用も注意が必要です。粘着成分が皮膚に炎症を引き起こし、結果として瞼への負担に繋がる恐れがあります。

紫外線と乾燥から目元を守る

瞼の皮膚は非常に薄く繊細なため、紫外線や乾燥の影響を受けやすい部位です。こうした外的ダメージによって角質が厚くなると、眼瞼下垂の原因となることがあります。

外出時には日焼け止めや帽子、サングラスなどで紫外線を防ぎ、日々のスキンケアで保湿をしっかり行いましょう。特に目元は乾燥しやすいため、専用の保湿アイテムを取り入れて肌のターンオーバーを整えることが予防に繋がります。

コンタクトの取扱いに気をつける

コンタクトレンズを装着・取り外しする際に、瞼を強く引っ張ると、眼瞼挙筋に負担がかかり、眼瞼下垂の原因となることがあります。装着時の動作はできるだけ丁寧に行いましょう。

また、長時間の装用も瞼に刺激を与えるため、可能な範囲で装用時間を短縮することが大切です。自宅ではメガネに切り替えるなどして、コンタクトの使用時間を調整しましょう。特にハードコンタクトは瞼への影響が大きいため、ソフトタイプへの変更を検討するだけでも、リスクの軽減に繋がる可能性があります。

パソコン・スマートフォンの長時間使用を避ける

スマホやパソコンを長時間使用する「VDT作業」は、目の筋肉や瞼の疲労を引き起こす要因になります。作業中は定期的に画面から目を離し、遠くの景色を眺めたり、目を閉じたりして、意識的に休憩を取りましょう。また、まばたきの回数が減ると目が乾きやすくなるため、意識してまばたきを増やすことも乾燥予防に役立ちます。

ボトックス注射

眼瞼下垂の予防手段として、ボトックス注射を活用する方法もあります。ボトックスは筋肉の収縮を抑える作用があり、本来は表情ジワの改善などに用いられる治療法です。

加齢などにより眼瞼挙筋の力が弱くなると、額の筋肉(前頭筋)を使って瞼を持ち上げる癖がつきやすくなります。これが続くと、眼瞼挙筋の機能がさらに低下し、結果として眼瞼下垂に繋がります。ボトックスを額に注射することで、前頭筋の働きを抑え、自然と眼瞼挙筋を使う習慣がつくようになり、筋肉の活性化が期待できるという考え方です。

ただし、既に眼瞼下垂を発症している方がこの治療を受けると、逆に症状を悪化させてしまう可能性もあるため、施術を希望する場合は、必ず専門の医師と相談のうえ、適切な判断を仰ぐようにしてください。

まとめ

眼瞼下垂の改善には、基本的に医療的な治療が必要であり、マッサージやトレーニングでは根本的な改善は見込めません。むしろ自己流のマッサージなどは、瞼に負担をかけて症状を悪化させるリスクがありますので注意が必要です。

一方、トレーニングは眼瞼下垂の「予防」には有効です。まだ症状が出ていない段階で、瞼の筋肉を意識的に使う習慣を取り入れることで、将来的なリスクを軽減できる可能性があります。今回ご紹介したトレーニングや生活習慣の工夫を、ぜひ日常に取り入れてみてください。