コラム

2025.03.18

眼瞼下垂の手術と二重手術の違いを目的や施術方法、料金など様々な観点から解説!

二重手術は、瞼に二重のラインを作り、目元の印象を整える施術です。一方、眼瞼下垂手術は、視界を妨げる瞼の緩みを改善し、瞼を持ち上げることで機能を回復させることを目的としています。どちらも瞼に対する処置ですが、その目的や方法には大きな違いがあります。

本ページでは、混同されやすい二重手術と眼瞼下垂手術の違いについて詳しく解説し、よくある疑問にお答えします。是非参考にしてください。

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂は、瞼の機能が正常に働かなくなる疾患の1つで、比較的多くの人に見られる疾患と考えられています。目を開こうとしても上瞼がスムーズに持ち上がらず、黒目の中心にある瞳孔が部分的に覆われてしまう状態を指します。この状態になると、「瞼が重く感じて目を開けていることが負担に感じる」、「上方の視界が瞼によって妨げられ、見づらさを感じる」といった症状が現れることがあります。

その結果、視界を十分に確保しようと常に顔を上げることで首や肩のこり、頭痛が生じやすくなります。また、目にかかる負担が大きくなることで自律神経のバランスが乱れ、日光に強い眩しさを感じ、外出時にサングラスが欠かせなくなるケースもあります。さらに、気分が落ち込みやすくなるなどの随伴症状が現れることも知られています。

【眼瞼下垂の症状】
眼瞼下垂の症状は、多くの場合、次のような形で現れます。
特に50代以降になると症状がはっきりと現れることが多いため、ご自身の状態を確認してみましょう。

  • 瞼に違和感があり、重だるい
  • 上瞼が黒目の一部を覆っている
  • 目をしっかり開くのが難しい
  • 視野が狭窄し、ものが見えにくいと感じる
  • 首や肩のコリ、頭痛、目の疲れが続いている

さらに、見た目の印象にも次のような変化が生じることがあります。

  • 目元が下がって険しい表情に見られることがある
  • 写真に映ると、周囲から「眠たそうに見える」と指摘される
  • 眉間にシワが目立つようになった
  • 気づかないうちに顎や眉を上げながらものを見てしまう
  • 瞼が下がり、実年齢より老けた印象を与える

眼瞼下垂を放置すると、視界が遮られるだけでなく、慢性的な首や肩のこり、頭痛、目の疲れを招き、日常生活の質が低下する可能性があります。
該当する症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。

 

二重手術と眼瞼下垂手術はどう違うのか?

【施術方法の違い】
二重手術
二重手術とは、外科的アプローチによって二重のラインを形成する施術方法です。主に「埋没法」と「切開法」の2つの方法が一般的に行われています。
埋没法は、瞼の内側を医療用の糸を用いて固定することで、二重のラインを形成する施術方法です。切開を最小限に抑えられるため、術後の腫れや内出血も少なく、身体への負担も軽減されます。しかし、固定した糸が緩んだり切れたりすると二重のラインが消失することがあり、永続的な効果ではない点には注意が必要です。
切開法は、瞼をメスで切開し、理想とする形で二重ラインを形成する施術方法です。持続性が高く、デザインを細かく調整できるのが特徴ですが、切開を伴うため身体への負担が大きく、仕上がりが落ち着くまでに時間を要することがあります。

眼瞼下垂の施術
眼瞼下垂は瞼と筋肉の連携が衰えたことで、瞼の機能が正常に働かなくなる症状です。そのため、眼瞼下垂の手術では、瞼を持ち上げる機能を回復させるために、瞼のラインに沿ってメスで切開し、弛み伸びた眼瞼挙筋腱膜を短く再形成し、瞼に固定します。
基本的には切開を伴う手術であり、保険適用の対象となります。ただし、医療機関によっては埋没法のように医療用糸と針を使用し、瞼と眼瞼挙筋腱膜を固定する施術を提供している場合もあります。この場合は自由診療扱いとなるため、保険適用の手術と比べて医療費が高額になる点を理解しておく必要があります。

まとめると、二重手術は「目元を美しく整えるための施術」であり、機能面の回復を目的としたものではありません。一方、眼瞼下垂手術は「瞼の機能を改善させるための手術」であり、目の開きや視界を正常にし、日常生活の質を向上させることを目的としています。

※当院での眼瞼下垂手術に対する保険適用の有無については診断後の判断となります(症状のない方は自費診療)。難しい症例の治療が必要な方は近隣の大学病院を紹介いたします。

【料金の違い】
二重手術の料金
施術内容や医療機関の方針によりますが、多くの場合、切開法よりも埋没法の方が比較的低価格で提供されています。
埋没法の費用は、おおよそ5〜20万円が目安とされています。皮膚を固定するポイントの数(1点留め・2点留めなど)が増えるほど、糸の固定が安定し、二重のラインが長持ちする可能性がありますが、その分費用も高くなる傾向があります。
一方、切開法の費用はおおよそ10〜60万円が目安とされており、瞼の切開範囲が広い場合や脂肪除去を伴う施術では、より高度な技術が必要となるため、費用が高くなることがあります。

眼瞼下垂の料金

眼瞼下垂の手術費用は、保険が適用される場合、1割負担でおおよそ1.5〜3万円、3割負担でおおよそ4.5〜8万円が目安とされています。
一方、上述のように切開を伴わない埋没法を用いた眼瞼下垂手術は保険適用外となり、費用はおおよそ15〜30万円かかります。
さらに、美容的な観点から仕上がりの見た目を重視して手術を行う場合は、自由診療となり、施術内容によっては40万円以上の費用がかかるケースもあります。

※当院での保険適用の有無については診断後の判断となります(症状のない方は自費診療)。難しい症例の治療が必要な方は近隣の大学病院を紹介いたします。

【健康保険適用の適用有無について】
見た目の美しさを向上させることが目的で行う二重手術は、治療ではないため健康保険の対象にはなりません。
一方、眼瞼下垂では、下がった瞼が目にかかり、十分に目が開かず、特に上方の視界が遮られるのが特徴です。その結果、無理に視界を確保しようと目に力を入れ続けることで、頭痛や肩こり、目の疲れなど不快な症状を招きます。

また、瞼が十分に開かないことで、周囲から「目つきが悪い」「眠たそう」といった印象を与えてしまうなど、見た目に関する悩みが生じることがあります。
そのため、症状が重い眼瞼下垂の場合には保険適用の対象となります。

眼瞼下垂による瞼の緩みは、生まれつきの先天性のものと、生活習慣などによる後天性のものがあります。後天性の眼瞼下垂は、目の酷使や目を強く擦る習慣、長期間のコンタクトレンズの使用、加齢などが原因となることが多いです。

近年では、スマートフォンやパソコンなど長時間のVDT作業が影響し、若年層においても後天性の眼瞼下垂を発症するケースが増えています。瞼に重さを感じたり目をしっかり開くのが難しい、頭痛や肩こりといった症状が続く場合には、早めに医療機関を受診することを推奨します。

 

二重手術と眼瞼下垂手術は同時に受けられる?

二重手術と眼瞼下垂手術は同時に受けることができます。医療機関によっては、両方を組み合わせた施術プランを用意している場合もあります。
ただし、二重手術を組み合わせる場合、多くのケースで自由診療となり、保険適用の対象となりません。そのため、保険適用となる眼瞼下垂手術のみ行う場合に比べ、費用が高額になる点は理解しておく必要があります。

 

眼瞼下垂手術を検討している方がチェックすべきポイント

眼瞼下垂の治療は、多くの医療機関で提供されています。
しかし、適切な医療機関を選ばなければ、仕上がりに満足できなかったり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。

こうしたトラブルを回避するためにも、以下のポイントを事前に確認しましょう。

【担当した症例数の多い経験豊富な医師・医療機関を選ぶ】
眼瞼下垂の治療を安心して受けるためには、経験が豊富で症例数の多い医師や医療機関を選ぶことが重要です。
多くの症例を経験している医師は、高い技術を持っていることが多く、患者様1人ひとりの症状に適した術式や二重の形を提供できる可能性が高まります。

しかし、費用の安さを優先し、実績や症例数を十分に確認せずに医療機関を選んでしまう方も多いです。その結果、技術不足の医師による施術で満足のいかない仕上がりとなってしまうケースも報告されています。このようなトラブルを回避するためにも、医師・医療機関の選択は慎重に進めましょう。

【カウンセリングを丁寧に行う医療機関を選ぶ】
審美性を追求する眼瞼下垂の治療は、自由診療となりますが、理想の仕上がりや二重の形を細かく追求することができます。そのため、施術前のカウンセリングの段階で、自分の希望する仕上がりをしっかりと伝えることが重要です。

もしカウンセリングで「十分な説明がない」「要望をきちんと聞いてもらえない」「対応に不信感を抱いた」「納得できない」などと感じた場合には、トラブルを回避するためにも他の医療機関での相談を検討することをお勧めします。

【理想の二重にならない可能性がある点は理解しておく】
保険適用となる「機能的に問題のある眼瞼下垂」の治療は、あくまで視界の改善や瞼の機能回復を目的としているため、審美性を追求する二重手術と異なり、仕上がりが必ずしも理想のデザインとならない可能性がある点には注意が必要です。

 

二重手術と眼瞼下垂手術の違いについてよくある質問

Q.眼瞼下垂手術(切開法)について教えてください。
眼瞼下垂手術(切開法)とは、瞼の皮膚を切開し、瞼を持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の緩みを調整して瞼板に再固定する治療法です。これにより、瞼がしっかりと開くようになり、視野の改善、眼精疲労や肩こり、頭痛などの症状の緩和が期待できます。

Q.二重手術について教えてください。
二重手術とは、美容目的で瞼に二重のラインを形成する施術です。切開によって瞼の皮膚を調整し、必要に応じて余分な脂肪を除去することで、自然で長期間持続する二重のラインを形成します。

Q.眼瞼下垂手術と二重手術は何が違うのですか?
眼瞼下垂手術は、瞼の開きを改善し、視野を広げることを目的とする治療法です。一方、二重手術は目元の印象を整え、理想の二重を追求する美容目的の施術です。

Q.どのような人が眼瞼下垂手術を受けるべきですか?
眼瞼下垂手術(切開法)は、瞼を持ち上げるのが困難な方、瞼が下がることで視野が狭窄した方、それに伴い眉やおでこを持ち上げて目を開ける癖がある方に推奨されます。視界の改善や瞼の機能回復を目的としています。

Q.どのような人が二重手術を受けるべきですか?
二重手術は、目元の印象を整え、理想の二重を追求する美容目的の施術です。瞼の脂肪を調整し、目元をスッキリとさせたい方、二重幅を調整したい方など理想とする二重を追求できます。ただし、二重手術はあくまで美容目的であるため、施術によって目の開きが良くなったように感じたとしても、眼瞼下垂の治療ではない点は注意が必要です。

Q.眼瞼下垂を治す目的であれば、眼瞼下垂手術(切開法)・二重手術のどちらでも保険が適用されますか?
眼瞼下垂手術(切開法)は、医師の診断により機能的改善が必要な眼瞼下垂と判断された場合に限り、保険が適用となります。一方、二重手術はあくまで美容目的であるため、自由診療扱いとなり、保険は適用されません。

※当院での眼瞼下垂手術に対する保険適用の有無については診断後の判断となります(症状のない方は自費診療)。難しい症例の治療が必要な方は近隣の大学病院を紹介いたします。

 

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